転々と全国をさすらっていた私が、統括管理者として看護師の仕事を全力で楽しむまで
統括管理者 花田鈴菜
今回ご紹介するのは、NewGate訪問看護ステーション(以下、NewGate)で全看護師の統括管理を任される、まさに看護師の長である花田鈴菜さんです。
現在、NewGateの統括管理の仕事をしながら、毎日現場にも出ている花田さん!そんな花田さんのユニークなキャリア、そして、NewGateでのお仕事について詳しく紹介します!
―これまでの看護師としてのキャリアを教えてください。
最初に勤めた病院は、看護学校の系列の病院でした。外科病棟を希望たんですが、配属されたのは手術室でした。外科への未練が立ちきれず、1年で辞めました。その後、友達の紹介で徳洲会病院の小児外科病棟で3年半くらい働きました。その後は、ちょっとさまよってました(笑)
―「さまよう」とは?!
看護師って、3、4年目で辞める人が多いんです。理由は、その頃に奨学金を返し終わるというのが一つ。もうひとつは、3、4年働くとリーダー職も経験して、一通りの仕事ができるようになるんですね。そうすると、どこの病院でもやっていけるので、地元に帰ったり、別の病院にいったり、中には看護師から離れて違う仕事をする人もけっこういます。
―花田さんは徳洲会の後、どうされたんですか?
私は看護師を辞めて、地元の九州福岡に戻って、3ヶ月くらい仕事をせず、旅行したり、何故かカフェで働いたりしていました。でも、看護師時代と比較すると薄給で、やりがいも感じられなくて、やっぱり看護師だなって思って看護師に戻りました。「応援ナース」に登録して、3年くらいは派遣で看護師をやっていました。当時は、自分が何科にいきたいのか正直わからなかったので、外科、小児、手術室など、色々な科で経験を積みました。その中に訪問看護もあったんです。その時に訪問看護の仕事に興味を持ち、ある訪問看護施設に正社員として入職したんです。
―訪問看護施設と訪問看護ステーションのお仕事ってどのような違いがあるんですか?
私が入職したところは、訪問看護というよりは「訪問看護施設在住の看護師さん」というイメージでした。私がイメージしていた訪問看護の仕事とはちょっと違ったんです。あと、当時役職がついていたんですが、役職がついてない頃とお給料も変わらないことにも不満がありました。そんな状況で、自分がやりたい訪問看護の仕事への想いがどんどん強くなっていきました。
―そんな時に、NewGateと出会ったんですね。
仕事帰りに何気なくTikTokを見ていたら社長の投稿が流れてきて「訪問看護ステーションをオープンします。常勤と非常勤の看護師さん募集します〜!」って!!元々、社長のインスタはフォローして「看護師あるある」ネタをよく見ていたので、面白い人というイメージは持ってました(笑)。「よし、この人に乗っかってみよう!」ってすぐにDMを送ったんです!
―それで採用されたと。
はい、すぐ返事がきて面接の日程を決めました。普通面接って、長くても30分くらいだと思うんですけど、気がついたら私、2時間半も語ってました(笑)。私がつくりたい訪問看護ステーションとか、小児もやりたいとか、こういうチームをつくりたいとか、とにかく語りまくってしまい・・・。そしたら社長が「花田さんは主任で採用したい」とその場で言ってくれて、後日、正式に採用通知を受け取りました。
―創業メンバーであり、初代主任が誕生したわけですね!
はい、でも主任は1ヶ月で解任されました(笑)。というのも、開業当時は社長がシフトをつくっていたんです。でも、そもそも社長はシフトとかつくったことがなくて。開業して1週間でシフトの管理やスケジュール管理全般が私の仕事になりました。5月には私が管理者になって、他の看護師2名が主任になり、同じ年の12月には私が統括管理者になっていました。
―前代未聞のスピード出世ですね。統括って、病院でいったら看護部長とか、かなりご年配なイメージです。
はい。私もびっくりしました(笑)。通常20年かかるキャリアを1年未満ですから。完全にバグってますよね。ただ、統括管理者だから偉いとかそういう感じはなくて。とにかく目の前のことをやる!って感じでした。もちろん、良い機会をいただたいたと思っています。
―NewGateに入って、ここが他の病院や施設と違うというところはどこですか?
一番はスピードです。4月にオープンしてから、店舗を増やすタイミングもですし、採用スピードもですし、利用者さんを獲得するスピードもすごかったです。その社長のスピードについていくのが最初は大変でした。でも、社長が見ている未来と、自分の目標が一致していたので、とりあえずこの人についていこう!と必死でしたね。
―創業メンバーの存在は大きいですか?
大きいですね。皆、訪問看護未経験だったので、本当に最初は大変だったと思います。今は未経験の子には先輩看護師が同行するのが当たり前ですが、当時は全員未経験なので、それができなくて、とにかく現場で学んでいたんです。経験がない中でもやれていたのは、開業への強い想いがあったからだと思います。当時は本当に夜遅くまで仕事することも多かったので、一緒にいる時間も長かったので、今でも同志って感じです。
―業界では類を見ない人事制度についてはどうでしょうか。
とても良いと思います。自分の目指すべき目標が明確なのと、公平性の高いので、頑張ったら頑張った分だけ評価されます。これまでの看護業界にはまったくなかった制度だと思います。自分の苦手分野や克服しなくてはいけないことも明確なので、そこは逃げられないですし、頑張る方向を間違わなくていいですよね。
―今は、管理メインで、現場のお仕事はゼロですか?
いえ、実は、統括管理者になる時に社長に、少しでもいいから現場に出させてくださいとお願いして、承諾してもらいました。夕方の忙しい時間に1、2件、多くて4件、訪問に行っています。現場に入ることで、スタッフの気持ちもわかりますし、統括の仕事にも活きています。
―NewGateの最大の特徴は、小児が全体の7割ということだと思います。この点に関してはいかがですか?
他の訪問看護ステーションは、小児=リスクが大きいと考えます。例えば、医療的ケア児の場合は医療事故にもつながるリスクや、ご家族からのクレーム対応などもリスクのひとつです。小児は専門性が高くなることで、敬遠されるステーションが多いんですね。その中で、私たちは小児を積極的に受け入れていますし、専門性の高さや24時間365日対応できるという点でも地域に役に立っていると思います。お母さんたちからも「小児を受け入れてくれる訪問看護ステーションがない」とか「ものすごく探しました」と言っていただくことが多いですね。
―現場ではどのようなお仕事をされているんですか?
私は主に医療的ケアのお子さんを見ています。特に母子医療センターから退院してくる小さなお子さんが多いです。病院側は、次から次に患者さんが生まれるので、良くなった子は早く退院させたいんですよね。その際、ケアするときの手技を看護師さんからお母さんに教えるんですが、実際家にかえってやってみると、どうしたらいいかわからないと困っているお母さんがとても多いんです。なので、まずはスケジュールから決めるんです。どの時間にお風呂で、どの時間にミルクなのか、それに応じてものの配置や動線など、生活全体をサポートしています。そこができるようになると、次は、熱が出たとか、嘔吐したとかにつまづくタイミングがくるので、そこの対応をサポートしています。うちは公式LINEを活用していて、なにかあればお母さんが連絡してくれるので、そういった面でも医療的ケアのお子さんがいるお母さんにとっては安心だと思います。
―現場で一番大切にしていることはなんですか?
医療的ケアの子のお母さんは、当たり前ですが皆心配性です。神経質なお母さんも少なくありません。なので、初対面の時とかは、看護師に不信感や敵対感を持っている場合もあるんです。どんな時もお母さんの気持ちに寄り添って、看護師として介入して、時間をかけて信頼関係を築いていくことを大切にしています。そして、何を言われてもめげないこと。そして、どんなに小さなことでも相談してきたら、それに対して100%返せるように努力しています。
―最後に、花田さんの今後も目標を教えてください。
実は、面接の時に社長に語った時とあまり変わっていないんです。看護師って、一生懸命働いているのに、それに見合ったお給料じゃなくて、人間関係でも悩んでいて、自分のやりがいをなくしてしまっている人が多いんです。私もそうでした。だから、こういう人を一人でも少なくしたいです。やりがいのある仕事をしながら、お給料面や人間関係も含めて自己実現につなげてほしいです。それがNewGateのビジョンである「笑顔あふれる 自分らしい人生を」につながっていくと信じています。なので、今いるスタッフもこれから入ってくるスタッフさんも、ここを目指して自己実現してほしいというのは、ずっと変わっていないですね。