昇進ではなく、“右腕”として支えるキャリアもある
離職率0%の西宮エリアの組織作り

西宮エリア 主任 金本理紗子
小児集中治療室(PICU)と新生児集中治療室(NICU)での経験を経て、2024年に訪問看護の世界へ飛び込んだ金本さん。「病院で救う命」から「地域で寄り添う支援」へのキャリアチェンジを決め、NewGate訪問看護ステーション(以下、NewGate)の西宮エリア立ち上げ時に入職。現在、中間管理職として組織作りを担い、エリアの黒字化を牽引した金本さんに、NewGateでの仕事ややりがい、未来の目標についてお聞きしました。
病院から訪問看護へ ― 転職を決意した理由
大学を卒業後、大阪の循環器病院で小児科1年、NICU・PICUで4年、計5年間勤務しました。重症心疾患を持つお子様は吸引や、呼吸器、酸素投与が必要になる子もいて、医療的ケアが必要なまま退院となり自宅へ送り出すことが多いんです。その際に、訪問看護へ引き継ぐことが多々あり、退院後はどのようにご自宅で生活されているのかに興味を持つようになりました。医療的ケア児が増加している昨今の情勢を考えても、小児の訪問看護の需要は今後高まっていくと思い、小児科の経験を活かして転職活動をはじめました。
最初は小児専門の訪問看護を探していたのですが、希望に合う職場がなかなか見つかりませんでした。そんなとき社長のインスタグラムに出会い、「自己(働くスタッフ)実現のための会社」という理念にびっくりしました。こんな職場があるなんて!って。同時に「ここで働きたい!」と思いすぐにDMを送りました。
西宮エリア立ち上げメンバーから 主任ポストに立候補
大阪勤務を希望していましたが、面接時には大阪の募集はしていなかったんです。翌春に立ち上がる西宮エリアのメンバーとして採用いただきました。引越しを伴いましたが、「新エリアの立ち上げ」というワクワク感が上回ったのを覚えています。また、年齢が若い私でも、頑張り次第でリーダーや主任になれる選択肢が初めからあるということも動機が高まりました。
入職当初はエリアマネージャーの木村さんと、現在北大阪エリアの主任である清光さんと、私の3人体制でした。当時は利用者さんも少なかったので、私は北大阪のヘルプや小児のケース対応が中心でした。夏頃から徐々に西宮エリアの利用者さんも増えてきて、スタッフを増員することになり、リーダーや主任のポストが設けられることになったんです。そのタイミングで主任ポストに自ら手をあげました。半年間、管理業務を学びながら準備し、2025年1月に正式に主任になりました。
主任就任後、黒字化を更新中!離職率0%の快挙も
現在の西宮エリアは8人体制で、主に6人のスタッフが現場で動いています。私(主任)の主な業務はスタッフのシフト作成や利用者さんのスケジュール調整、新規依頼の初期対応などです。現場にも1日1~3件ほど出ていて、重症の小児医療的ケア児を担当することが多いです。
数字面も好調で、2025年1月に黒字化を達成してからも、売上は順調に伸びています。7月は630件以上の依頼に対応しました。1人あたり月100件、1日平均5件の訪問で、フル稼働に近い状況です。大変でしたが、スタッフ全員にインセンティブが支給されたのは嬉しかったですね!
一般スタッフの時と主任とで大きく違う点は、経営目線で数字を見られるようになったこと。エリアマネージャーの木村さんが数字にかなりストイックなので、全てを木村さんから学ばせてもらいました。今では私も売上や人件費など数字を意識しながら働くことに面白さを感じられるようになりました。
そう聞くと、一見数字に厳しいエリアに思われるかもしれませんが、西宮エリアの一番の魅力は雰囲気の良さです。依頼が増えているので人員不足は常に隣り合わせですし、スタッフもフル稼働で頑張ってくれています。それでも、西宮エリアの離職率はなんと0%!育休や他エリアへの異動による人員の増減はありますが、やめた人はまだ一人もいません。これは木村さんの人柄ですね。頻繁にアイスやお弁当を差し入れてくださったり、小さな歓迎会を開いたり、チームの雰囲気をよくしてくれるんです。また、リーダーの黒田さんの存在も大きいです。黒田さんは総合病院での勤務経験が長く、特に成人ケアの経験が少ない若手スタッフの指導を積極的におこなってくれています。誰に対しても親身になってくれて、みんなから頼られています。みんな忙しい支援の中でも、時間があれば事務所に顔を出してくれるんです。
組織と現場をつなぐ存在であるために
積極的に昇進(エリアマネージャー)を目指しているかというと、実はそうでもありません。自分の性格的には、2番手、3番手のポジションの方が力を発揮できると思っています。今は中間管理職として本部(経営陣)と現場スタッフの橋渡し役としての役目を強く意識しています。組織の方針を現場に浸透させるために、日々の業務の中でスタッフと積極的に会話することを心がけています。単に、社長や本部が考えていることを伝えるだけではなく、現場を理解し、スタッフが働きやすいように調整することも私の役目です。まだまだ課題はありますが、主任としての役目を果たすことが、会社の成長につながると思っていますので、今は、自分の仕事に注力したいと思っています。
NewGateはまだまだ成長期段階です。依頼が増えていく中で、人材不足と人材教育は常に課題です。ただ、がんばった分だけ定量・定性の両方で評価され、給与に反映される点は、私だけではなく、スタッフの大きなモチベーションにつながっています。病院勤務経験のある人は、評価と給与が直結しないもどかしい経験をしている人が多いので、“公平に評価してもらう”という これまでなかった選択肢があることで、“自分らしい働き方”を見出せる良いチャンスになると思います。新しいことに挑戦したい看護師やセラピストにとっては、NewGateはよい職場だと思います。今後も西宮エリアや会社の成長を後押しできるよう、私自身も挑戦を続けたいと思います。