保育士から言語聴覚士へ
「感謝される」やりがいのあるセラピストが目指す「相談しやすい社会」
NewGate訪問看護ステーション 言語聴覚士 福井 敬(ふくい・たかし)
ご紹介するのは、NewGate訪問看護ステーション(以下、NewGate)で働く言語聴覚士(以下、ST)として働く福井敬さん。
現在、大阪府の北部から南部まで50人以上を担当し、2歳〜中学生の患者さんと、そのご家族の支えになっています。福井さんがSTになった経緯、そして現在の仕事の内容や、気になるお給料まで、根掘り葉掘り聞きました。
−そもそも、STになったきっかけは?
20歳から保育士として働いていました。最初はがんばっていましたが、4年も経った頃、将来に不安を感じました。当時、手取りで134,000でしたから。なので、保育士の資格に、もう一つ資格があればとSTの資格を取得したんです。
−現在の仕事内容は?
STの仕事は言語障害・音声障害・嚥下(えんげ)障害の専門家です。ただ、小児の場合は、学習やコミュニケーションのフォローが主な仕事です。1日4件から多くて7件の訪問看護をおこなっています。
患者さんは2歳半から中学生です。発語が遅い幼児期のコミュニケーションや、小学生低学年の学習の遅れなどのサポートですね。患者さんの1割は音読や読解のサポートです。その他、軽度だと会話のキャッチボールなど、ゲーム感覚で楽しみます。重度になると発語がないので、要求手段を確立することからはじめます。全ての患者さんに、季節らしいことや楽しいことをするように心がけています。患者さんたちは、右肩上がりで良くなることは滅多にありません。変化がないことも多く、横ばいは当たり前ですから、焦らずに取り組むことが大切です。
−どんなところが大変ですか?
この仕事はお母さんに満足いただくことが非常に重要です。でも、私たちは、依頼がなければ動けません。かかりつけ医からの指示書があって初めて訪問看護ができます。
今の世の中は情報過多なので、お母さんが幼稚園や保育園で、周りのお子さんと比べてしまって不安になるケースも多いです。
保育園や幼稚園の先生は健常ベースの勉強しかしていないので、悪気なく「〇〇ができていません」と保護者に伝えます。それでご依頼があれば、見立てをし、必要な支援をします。
もちろん、心配しすぎでリハビリが必要ない場合もあります。
逆に根拠のない自信や認めたくないという感情から、発見が遅くなるケースも少なくありません。多いのは「男だし言葉か遅くても大丈夫」といったもの。発達障がいの件数で男女の差はないんですけどね。特に一人目の男のだと、そういう傾向が多い気がしています。
心配性すぎる方も、認めるのが怖い方も、まずは専門家に相談してほしいと思います。
きっと助けになるはずです。
ご家族自身が言葉にできない不安を、しっかりヒアリングして、ご家族に寄り添ったサポートを心がけています。
もっと「相談しやすい社会」になればと思っています。
わからないものをそのままにすれば「不安」や「恐怖」にかられます。ぜひ、「話を聞いてくれる人」を探してください。
−仕事のやりがいは?
とてもありますね。「ありがとう」と感謝してもらえて、やりがいを感じています。NewGateにはSTは私一人なので、自分にしかできない仕事だという想いもあります。
−NewGateに入社したきっかけは?
2023年6月頃、知人の紹介でNewGateとご縁をいただきました。2023年4月に開業したてのNewGateは人手が必要でお声をいただいたんです。当時は他の仕事もあったので副業で月に数回お手伝いする程度でした。そして2024年3月に前職を退職し、翌週には大阪に引越して4月からNewGateで働き始めました。
−NewGateはどんな職場?
とにかく働きやすいですね。直行直帰もありがたいです。ST一人なので、職場のみんなが頼ってくれるのも嬉しいです。
それからNewGateの人事制度のおかげで、がんばった分だけしっかりお給料やキャリアに反映されるのが嬉しいです。お給料は前職の1.4倍です。セラピスト業界では非常に高水準のお給料です。普通、この業界は年功序列が当たり前ですし、忙しくてもそれがお給料で還元されることはありませんから。
患者さんのお母さんから電話で相談されることも多々ありますが、それも業務外残業として評価してくれるのもありがたいです。だからこそ、患者さんやその家族のために、私ができることをしたいと思えます。
−最後に、これからの目標は?
まずは訪問件数1位と満足度1位を目指します。