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小さなサインを、子どもからのメッセージとして受け取る
大阪エリアの小児訪問看護の現場から、言葉だけでは伝えきれない子どもの思いを、表情や声、しぐさなどから読み取る支援について紹介します。 「今日はいつもと少し違う気がする」 小児の訪問看護では、そんな感覚から始まることがあります。 大人であれば、「今日はしんどい」「ここが痛い」「これが嫌だ」と言葉で伝えられることもあります。しかし、まだ言葉で自分の気持ちを十分に表現できない子どもでは、そうはいきません。 その代わりに、表情が変わる、声を出す、手を動かす、視線を向ける、身体をそらすなど、さまざまな形で自分の思いを表しています。 小児の支援では、こうした一つひとつの反応を「子どもからのサイン」として捉える視点が欠かせません。 今回のブログでは、大阪エリアの現場で実際にあったやり取りをもとに、個人が特定されないよう内容を一部一般化しながら、子どもの言葉にならない思いをどのように捉えているのかをご紹介したいと思います。 「言葉」だけがコミュニケーションではない あるご家庭から、「言葉の面でも、もう少し支援してほしい」という希望がありました。 お子さまは、まだ短い言葉や音、表情、しぐさなどを使いながら、自分の思いを伝えようとしている段階でした。 このような場面で大切なのは、「まだ言葉が話せない」とだけ捉えないことです。 言葉が少なくても、子どもは何も伝えていないわけではありません。 「こっちを見てほしい」 「これは嫌だ」 「もう少しやってみたい」 「疲れてきた」 「楽しい」 そうした気持ちが、声や視線、身体の動きとして表れていることがあります。 だからこそ、支援する側には、その反応を見逃さず、「この動きにはどんな意味があるのだろう」と考える姿勢が求められます。 いつもの「できる」と、今日の「できる」は違う 小児の支援で難しいのは、同じ子どもでも、その日の状態によって反応が変わることです。 昨日はできていたことが、今日はうまくできない。 いつも楽しそうに取り組むことに、今日は興味を示さない。 反対に、これまであまり反応しなかったことに、今日は目を向ける。 こうした違いを「できた・できなかった」だけで判断してしまうと、子どもの本当の状態を見落としてしまうことがあります。 たとえば、身体の動きだけを見るのではなく、 「今日は表情が少し硬い」 「声を出す回数が増えている」 「いつもより視線が合う」 「この声かけには反応する」 といった細かな変化にも目を向けます。 一見すると些細なことでも、その子にとっては大切な意思表示かもしれません。 小児訪問看護では、目の前にある行動だけを見るのではなく、その行動の背景にある「なぜ?」を考えることが、支援の出発点になります。 「この反応には、どんな意味がある?」 子どもの反応を読み取るとき、すぐに答えを決めつけることはしません。 「嫌がっているのかな」 「疲れているのかな」 「別のことに興味があるのかな」 いくつかの可能性を考えながら、実際の様子を見ていきます。 声をかけるタイミングを変えてみる。 少し待ってみる。 姿勢を変えてみる。 遊び方を変えてみる。 そうすると、先ほどとは違う反応が返ってくることがあります。 その反応を手がかりにしながら、「この子にとっては、今どんな関わり方が合っているのか」を探していきます。 これは、決められた方法をそのまま実施する支援とは少し違います。 目の前の子どもの反応を見ながら、関わり方そのものを調整していく。 そこに小児領域ならではの難しさがあり、同時に面白さもあります。 「伝えられない」のではなく、「伝え方が違う」 小児の訪問看護に関わる中で、私たちが大切にしたい視点の一つが、 「伝えられない」のではなく、「伝え方が違う」 という考え方です。 言葉で伝えることが難しくても、子どもはさまざまな方法で周囲に働きかけています。 そのサインを大人が受け取りやすい形に整理していくことで、「この子は何を伝えようとしているのか」が少しずつ見えてくることがあります。 そして、それは子ども自身の「伝えたい」という気持ちを尊重することにもつながります。 支援する側が一方的に「こうしてあげる」のではなく、 「あなたはどうしたい?」 「これは好き?」 「今は休みたい?」 と、子どもから返ってくる反応を待つ。 その積み重ねが、子ども自身の意思を大切にした関わりにつながっていきます。 小児だからこそ身につく「見る力」 小児の訪問看護では、言葉だけに頼らず、相手の様子を丁寧に観察する力が求められます。 表情を見る。 身体の動きを見る。 声の変化を聞く。 いつもとの違いに気づく。 そして、その反応に対して自分の関わり方を変えてみる。 こうした経験を重ねることで、目の前に現れている現象だけではなく、その背景を考える視点が身についていきます。 「なぜ今、この反応をしたのか」 「何がきっかけだったのか」 「この子にとって、今必要なのは何なのか」 一つの反応から仮説を立て、関わり、また反応を見る。 小児の現場には、そんな“答えを探しながら関わる”場面がたくさんあります。 子どもの「伝えたい」を見つける仕事 小児訪問看護というと、医療的なケアや身体面への支援をイメージする方も多いかもしれません。 もちろん、それらは大切な役割です。 一方で、子どもが何を感じ、何を伝えようとしているのかを受け取り、その子に合った関わり方を一緒に探していくことも、小児領域で働く専門職の大切な仕事です。 言葉になる前の表情。 一瞬の視線。 小さな身体の動き。 いつもとは違う声。 そうしたサインを一つずつ受け取りながら、「この子は何を伝えようとしているのだろう」と考える。 その積み重ねの先に、子どもとのコミュニケーションが生まれていきます。 子どもは、言葉だけで気持ちを伝えているわけではありません。 表情や声、視線、身体の動きなど、さまざまな方法で周囲に思いを伝えています。 だからこそ、小児の訪問看護では「何を言ったか」だけではなく、「どんな反応をしているか」に目を向けることが大切です。 一つひとつのサインを丁寧に受け取り、 「この子は何を伝えようとしているのか」 「どう関われば、その思いを引き出せるのか」 を考えていく。 それは、子どもの「伝えたい」という気持ちを尊重することでもあります。 NewGateでは、こうした子どもとの関わりを大切にしながら、一人ひとりに合わせた小児訪問看護に取り組んでいます。
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お知らせ
「NewGateこども食堂」の取り組みが掲載されました
NewGateこども食堂は、医療的ケアの有無や障がいの有無にかかわらず、地域のすべての子どもたちとご家族が参加できるインクルーシブな居場所としてスタートした取り組みです。 私たちがこども食堂を開催する背景には、小児訪問看護を提供するだけではなく、利用者さまやご家族が地域や社会とつながる機会を増やしていきたいという想いがあります。 実際にこれまでの開催では、 「訪問看護を我が家が利用できることを知らなかった」 「もっと早く相談すればよかった」 「みんなで子育てしてくれて心強い」 「看護師さんがいて安心だった」 といった声もいただいています。 今回の記事では、小児在宅医療を取り巻く現状や、なぜ訪問看護ステーションがこども食堂を開催するのか、そしてNewGateが目指している地域との関わり方についても詳しく記載しております。 第4回 NewGateこども食堂は、2026年9月27日(日)11:00〜14:00、大阪府堺市・美原文化会館にて開催予定です。 NewGateが訪問看護という枠を超えて取り組んでいる地域活動と、そこに込めた想いをぜひご覧ください。 ▼Made In Local掲載記事はこちらhttps://madeinlocal.jp/area/osaka-city/companies/news/085 今後もNewGate訪問看護ステーションは、「笑顔あふれる 自分らしい人生を」の理念のもと、子どもたちとご家族が安心して地域で暮らし続けられる環境づくりに取り組んでまいります。
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「できない」ではなく、「どうすればできる?」を考える
暮らしの予定に寄り添う在宅医療の支援 大阪エリアの訪問看護の現場から、ご本人にとって大切な予定や日々の楽しみを大切にしながら、無理なく在宅生活を続けるための訪問看護の役割を今回のブログではご紹介したいと思います。 「来週、楽しみにしている予定があるんです」 訪問看護の現場では、ときどきこんな言葉を聞くことがあります。 「来週、家族と出かける予定があって」 「この日はどうしても外せない予定があるんです」 医療や介護の立場から考えると、体調管理や必要なケアはもちろん大切です。 でも、利用者様にとっては、病気や身体のことだけが毎日のすべてではありません。 楽しみにしている予定があり、会いたい人がいて、続けたい習慣がある。 「その予定をできるだけ守りたい」 そんな思いも、その人の暮らしを考えるうえで大切な情報です。 訪問看護では、こうした日々の予定にも目を向けながら、その人らしい生活を続けるための支援を考えています。 医療の予定だけで、一日の予定は決まらない 在宅生活には、病院の受診や訪問看護だけではなく、さまざまな予定があります。 家族との外出。 学校や仕事。 友人との約束。 趣味の時間。 季節の行事。 家でゆっくり過ごす時間。 医療や介護の予定が増えると、いつの間にか「支援を受けるための生活」になってしまうことがあります。 もちろん、必要なケアを受けることは大切です。 だからこそ、支援する側が考えたいのは、 「どうすれば予定に合わせて支援できるだろう?」 ということ。 訪問する曜日や時間を調整したり、予定の前後で体調を確認したり。 できる範囲で工夫することで、医療や介護を受けながらも、ご本人が大切にしている時間を守れる場合があります。 「予定があるからこそ、体調を整える」という考え方 「楽しみにしている予定がある」と聞いたとき、そこから支援の考え方が変わることがあります。 例えば、外出を予定しているのであれば、 「当日をどう過ごすか」だけではなく、 「そこまでの体調をどう整えていくか」 「無理なく参加するためには何に気をつけるか」 「帰宅後にどのくらい休めるとよいか」 といった視点も出てきます。 つまり、予定そのものを支援するのではなく、その予定を楽しめる状態をつくるために、医療やリハビリをどう活かすかを考えることができます。 これは、在宅だからこそ持ちやすい視点かもしれません。 病気を治すことだけを目標にするのではなく、 「その人が何をしたいのか」 を出発点にして、できることを考えていく。 訪問看護だから見えてくる「その人の日常」 ご自宅を訪問すると、病院ではなかなか見えない生活の一面に出会うことがあります。 リビングに飾られた写真。 いつも使っているお気に入りのもの。 家族との何気ない会話。 毎日の習慣。 次の休日の予定。 そうしたものを知ることで、「この人にとって大切なこと」が少しずつ見えてきます。 例えば、毎週楽しみにしている外出がある人と、家で好きな音楽を聴いて過ごす時間を大切にしている人では、支援を考えるときの視点も変わります。 同じ疾患、同じ症状であっても、生活の中で大切にしているものは一人ひとり違います。 だからこそ訪問看護では、目の前の身体状態だけではなく、その人がどんな毎日を送りたいのかを知ることが大切になります。 「できないこと」ではなく「どうすればできるか」 在宅での支援では、すべての希望をそのまま実現できるとは限りません。 体調や身体状況によっては、これまでと同じ方法では難しいこともあります。 そんなときに、 「できないからやめましょう」 で終わらせるのではなく、 「どうすればできるだろう?」 と考えることがあります。 時間を変えてみる。 休憩を増やしてみる。 必要なサービスを組み合わせる。 ご家族に協力してもらう。 移動方法を工夫する。 あるいは、今できる別の方法を探す。 もちろん、安全を守ることが前提です。 そのうえで、ご本人の「やってみたい」「続けたい」という気持ちを出発点に、現実的な方法を一緒に探していく。 ここにも、訪問看護の専門性があります。 支援する側の都合だけで、生活を決めない 医療や介護では、効率や安全性、スケジュールなど、支援する側にもさまざまな事情があります。 しかし、ご本人にとっては、その一つひとつが「自分の生活」です。 だからこそ、支援を提供する側の都合だけで予定を決めるのではなく、 「この人にとって、何が大切なのか」 を考えながら、できる範囲で支援の形を調整する。 NewGateでも、こうした考え方を大切にしています。 訪問看護は、決められた時間に訪問して決められたケアを行うだけの仕事ではありません。 その人の生活の中に入るからこそ、その人にとって大切な時間を知り、それを守るために何ができるのかを考える仕事でもあります。 大阪の地域で、その人らしい毎日を支える 堺・大阪市内を含む大阪エリアでも、さまざまな生活を送る方が訪問看護を利用されています。 医療的なケアが必要になっても、これまでの生活をすべて変えなければならないわけではありません。 もちろん、身体状況や環境によって変化が必要になることもあります。 それでも、 「これからも続けたいことは何か」 「大切にしている時間は何か」 「今の状態でもできることは何か」 を一緒に考えることで、新しい生活の形が見つかることがあります。 訪問看護だからこそできるのは、医療を生活の中に持ち込むことだけではありません。 医療を、その人が望む生活のためにどう活かすかを考えること。 それも、在宅医療に携わる専門職の大切な役割です。 「来週、楽しみにしている予定があるんです。」 そんな一言を、単なる予定として聞き流さない。 その予定の先にある「楽しみ」や「大切にしたい時間」まで考えることで、支援の方向は変わることがあります。 体調を管理すること。 必要なケアを行うこと。 それだけではなく、 「その人が、その人らしい毎日を続けるために医療をどう使うか」 を考える。 それが、訪問看護の面白さの一つです。 NewGateでは、大阪エリアのご家庭に伺いながら、利用者様一人ひとりの生活や希望に合わせた在宅での支援を行っています。 「病気だけを見るのではなく、その人の生活に関わりたい」 「医療の知識を、誰かの『やりたい』につなげたい」 そんな思いを持っている方にとって、訪問看護は専門職として新しいやりがいを見つけられる場所かもしれません。
