言葉にならない気持ちに寄り添う小児訪問看護
ブログ
はじめに
南大阪エリアの小児訪問看護の現場から、言葉だけでは伝えきれないお子さまの思いや小さな変化を捉え、ご家族とともに支援を考えることの大切さを今回のブログではご紹介します。
子どもたちは、いつも自分の気持ちを言葉で伝えられるとは限りません。
「今日は少ししんどい」
「これが嫌だった」
「もっとこうしてほしい」
そんな気持ちを、言葉ではなく表情や声、視線、身体の動き、いつもとは少し違う様子で伝えていることがあります。
小児訪問看護では、そうした一つひとつのサインを見逃さず、その子が何を伝えようとしているのかを考えることも大切な支援の一つです。
今回は、南大阪エリアの現場で共有された一つの場面をもとに、NewGateが大切にしている「言葉にならない気持ちに寄り添う支援」についてご紹介します。
※個人が特定されないよう、内容は一部一般化しています。
「もう少し言葉の面でも支援してほしい」
あるご家庭から、スタッフに「言葉の面でも、もう少し支援してほしい」という希望が共有されました。
お子さまは、短い言葉や音、表情、しぐさなどを使いながら、自分の思いを伝えようとしている段階でした。
ご家族からすれば、日々一緒に過ごしているからこそ分かる変化があります。
「今日はいつもより声が少ない」
「何か伝えたそうだけど、うまく言葉にできないのかもしれない」
「以前より少し反応が変わってきた気がする」
そうした気づきは、数字や検査結果だけでは捉えきれないものです。
だからこそ、私たちはご家族の言葉にも耳を傾けます。
ご家族が感じている「なんとなく気になる」という感覚の中にも、その子を支える大切な情報が隠れていることがあるからです。
言葉の奥にあるものを見る
小児の支援では、「言葉を増やす」「発音を練習する」といった目に見える課題だけを見るのではありません。
その子が何を伝えたいのか。
どんなときに表情が変わるのか。
どんな関わりをすると反応してくれるのか。
好きなものを見たときには、どんな様子になるのか。
日常の何気ない場面に、その子を理解するためのヒントがたくさんあります。
例えば、普段はあまり言葉が出ないお子さまでも、大好きなものを見た瞬間に声を出したり、いつもより視線を向けたりすることがあります。
その小さな変化を「たまたま」と捉えるのではなく、「今、この子は何を感じているのだろう」と考えてみる。
そうした積み重ねが、その子に合ったコミュニケーションの方法を見つけるきっかけになります。
ご家族の「こうなってほしい」にも寄り添う
小児訪問看護では、お子さまだけでなく、ご家族の想いにも寄り添う必要があります。
「もっと気持ちを伝えられるようになってほしい」
「少しでも本人の思いを理解してあげたい」
「将来、自分の力でできることを増やしてあげたい」
ご家族には、それぞれの願いや不安があります。
その想いを受け止めながら、今のお子さまの状態を一緒に見つめ、無理なく取り組める方法を考えていく。
すぐに答えが出るとは限りません。
それでも、ご家族と一緒に「この子にとって何が良いのか」を考え続けることには、大きな意味があります。
一人の視点から、チームの視点へ
一人のお子さまを支えるためには、一つの専門性だけでは見えない部分があります。
看護師から見える変化。
PT・OTから見える身体の使い方や生活の様子。
STから見える言葉やコミュニケーション、食べることへの変化。
それぞれの専門職が持つ視点を重ねることで、その子のことをより深く知ることができます。
そして、現場で気づいた小さな変化は、スタッフ同士で共有します。
「今日こんな反応があった」
「以前と少し様子が違った」
「ご家族からこんな話があった」
一見すると小さな出来事でも、次の支援を考えるうえでは大切な情報になることがあります。
一人のスタッフが気づいたことをチームにつなぐ。
チームから得た気づきを、次の訪問に活かす。
そうやって支援をつないでいくことで、一人ひとりのお子さまに合った関わりを少しずつ形にしていきます。
小さな変化を、一緒に喜べること
小児訪問看護の仕事をしていると、大きな変化だけが成長ではないことに気づかされます。
昨日より少し長く目を合わせてくれた。
いつもより声を出してくれた。
自分から好きなものに手を伸ばした。
ご家族とのやり取りが少し増えた。
そんな小さな変化を、ご家族と一緒に「よかったね」と喜べる。
それは、小児訪問看護だからこそ感じられる大きなやりがいの一つです。
そして、その変化の背景には、ご家族が毎日の生活の中で積み重ねてきた関わりがあります。
私たちは訪問の時間だけでお子さまを支えているのではありません。
ご家族が日々続けている関わりに寄り添いながら、その積み重ねを一緒に支えていくことも、私たちの大切な役割です。
NewGateが大切にしていること
NewGateが大切にしているのは、目の前にある症状や課題だけを見るのではなく、その奥にある「その子らしさ」まで見つめることです。
言葉にならない気持ち。
ご家族だからこそ気づける小さな変化。
スタッフが訪問の中で感じた違和感や気づき。
そうした一つひとつを大切にしながら、その子にとってより良い支援をチームで考えています。
小児訪問看護は、決められたケアを提供して終わる仕事ではありません。
その日の表情を見て、声を聞いて、ご家族の話を聞いて、「今日はどんな関わりが必要だろう」と考える。
その積み重ねの先に、その子とご家族にとっての安心があります。
子どもたちの気持ちは、いつも言葉になるとは限りません。
だからこそ、表情や声、視線、しぐさ、日々の小さな変化に目を向けることが大切です。
そして、その気づきを一人で抱え込まず、ご家族やチームと共有しながら次の支援につなげていく。
一つひとつは小さなことかもしれません。
けれど、その小さな気づきの積み重ねが、子どもたちの「伝えたい」「やってみたい」「もっとこうしたい」という気持ちを支えることにつながっていきます。
NewGateはこれからも、言葉にならない気持ちにも耳を澄ませながら、お子さまとご家族の暮らしに寄り添う訪問看護を届けていきます。
